半日単位の振替は、法定休日ではない休日(以下、「所定休日」といいます。)であれば可能です。
しかし法定休日であり、振り替えることによって1週間について1日(起算日を定めた場合には4週間について4日)を担保できない場合には振替はできません。
労働基準法 第35条は、1週間について1日(起算日を定めた場合には4週間について4日)の休日を付与することを使用者に義務付けています。「休日」は暦日単位で付与しなければならないため、振替により法定休日であった日に少しでも労働をさせてしまえば、法定休日を付与したことにはなりません。したがって、半日単位で法定休日と所定労働日を振り替えた場合は、法定休日を付与する義務を定めている労働基準法 第35条違反ということになり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられる可能性があります。また、法定休日労働に対しては、35%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
なお、法定休日の付与義務と割増賃金の支払義務は別物であり、割増賃金を支払うことは法定休日労働を正当化するわけではありません。つまり、35%の割増賃金を支払さえすれば法定休日労働を正当化する(罰則の適用を免れる)ということではありません。
これに対して、所定休日は半日単位での振替が可能です。ただし、所定休日と勤務日の入れ替えは契約内容の変更であるため、そのような取扱いをすることについての契約上の根拠が必要です。
したがって、就業規則に振替の規定が定められているか、従業員との個別合意を形成する必要があります。また、契約上の根拠があり、振替ができる場合でも、所定休日だった日に労働をすることにより週の法定労働時間を超えてしまった場合には、25%以上の割増賃金を支払う必要があります。